取材日記 番外編【第5回】葬儀・お墓・いきがいについて

RanRan

@取材日記 第9回赤羽セミナー⑤ 葬儀・お墓・いきがいについて

くらしの相談会~年代別に終活について考えよう~」をテーマに開催された第9回赤羽セミナー&無料個別相談会で、赤羽の身近な専門家たちの話から、「くらしに関わる課題解決のヒント」をご紹介する5回目です。

第9回赤羽セミナー&無料個別相談会

ー登壇者ー
ファシリテーター:
税理士法人西川会計 西川豪康氏

パネラー:
赤羽高齢者あんしんセンター 藤井恭子氏
有限会社伊勢屋葬祭店 諏訪晃嗣氏
宗教法人正光寺 髙橋寿光氏

葬儀・お墓・いきがいについて

―コロナを経て、お墓事情やお葬式事情は変わりましたか― 

一昔前の葬儀は、2日間通夜と葬式となんだかわらかないうちに終わっていたという印象だったと思います。それは裏を返すと、それだけ多くの人が葬儀に関わってくれたということでもあります。
今は、コロナ前から傾向はあったのですが、家族中心の「家族葬」になってきて、それまでみんなで話してやっていたことを家族だけでやることになり、お葬式の規模はコンパクトにできますが、費用などの実質的な負担は昔よりも大きくなっています。

回答:諏訪晃嗣氏

―家族葬でやるというのは、誰の意向?― 

だいたい家族が決めていますね。親の葬儀となると、70代、80代と高齢になっているため、親の友達は呼びたくても呼べないことが多い。それなら義理とかなく、家族で送ってあげるというのが家族葬です。

回答:諏訪晃嗣氏

―最近は、遺灰を海に撒くなど、お墓を持たないケースもありますね― 

エンディングセミナーのような場所に行くと、海洋散骨のような業者さんが出展していて、注目はされていますが、数は伸びていないようです。法的に整備されていないことなどもあって、まだまだ市民権を得ていないのかなと思います。
日本人はお骨お骨を特別なものとして見ていると感じています。手元に置いておきたいとか、依り代のひとつとして祈りをささげたいという想いが日本では根強いですね。                                           海洋葬というのは続いてはいくでしょうが、全国で年間でも1000件くらいで、普及していくにはまだまだ時間がかかるでしょうし、そもそも日本においてはあまり根付かないように私は考えています。

回答:髙橋寿光氏

―田舎にお墓を置きっぱなしにしている場合はどうしたらいい?― 

最近の傾向としては、「近くに埋葬したい」「近くで供養したい」と思っている人が多いです。
田舎から移してくる方もいますね。利便性もそうですが、墓友みたいなものもあって、そこで知り合った人と仲良くなるようなこともあるので、お墓に関しても「近くに」と考えるようになってきたようです。

回答:髙橋寿光氏

―お墓のお引越しって、そんなに簡単に持ってきていいものなの?― 

手続きとしては簡単です。埋葬されている場所から埋葬許可証を返してもらい、そのお墓を物理的に平らにするわけです。お墓の中の骨壺を取り出して、新しい場所に移すだけなので、儀礼以外の手続きはそんなに難しいことではありません。それまでどういうお付き合いをしていたかによって、今預けている場所と話し合いは必要になると思います。

回答:髙橋寿光氏

―先祖代々のお墓を無くすのは抵抗感がありますが― 

自分の代で終わるのでお墓を整理しなければならないが、整理するタイミングを決められないという方が多いです。そのような方の場合は、ご自身が亡くなった時点でお墓を更地にして移すという約束をしています。事前に石屋さんに前金を払っておくとか、個別の契約をしていただくことで、最終的な一族の墓じまいをするのです。

回答:髙橋寿光氏

―お葬式の相談を受けるなかで、お墓の相談などもあったりしますか― 

多いですね。娘さんが嫁いでしまったら自分のお墓を見てくれる人がいないというご相談。
いきなり墓じまいというのも忍びないので、いい方法はないですかと。みんなで入るようなお墓があるお寺さんなどに移してもらうように相談したらどうですかとご提案したりしています。

回答:諏訪晃嗣氏

―お葬式の相談を事前にする人は少ないのでは?― 

「亡くなった」という知らせを受けた家族は、頭の中が真っ白になっていると思います。これから何をすればいいかを事前に知っているのと、知らないのとでは全く違います。話しづらいことかもしれませんが、笑って話せるうちに、親と相談しておいていただきたいですね。「もし、死んだら写真はどれにするか」とか「俺の棺には何を入れるつもりだ?」とか、心にゆとりがある時に話しておくと、後々活きてきます。

回答:諏訪晃嗣氏

―お葬式とか、「死」について考える時に、これからを生きていくためにはどのように考えたらいいでしょう― 

お墓という視点から「死」について考えたとき、お墓に関する段取りを事前に準備しておくことがとても大切です。なぜなら安心できるからです。お墓を事前に用意しておくと長生きすると言われるのは、言い伝えとかではなくて安心するからだと思います。    また、お墓を通じて墓友ができて、死に向かうことすらも雑談にしてしまうことができるようになります。そうしたつながりがコミュニティに参加するきっかけになったり、第二の人生を楽しむためのひとつの入口になったりするのではないかと思います。

回答:髙橋寿光氏

例えば、明日世界が終わるとして、今やっていることが本当にやりたいことなのかどうかを顧みるといいかもしれないですね。
皆さん自分の中に本当にやりたいことがあると思うので、それをリストにしてみるといいですね。不思議な話ですが、思っているだけでは叶わないことも、人に話したり、書き出したりすると大体叶っちゃうといいます。実体験として話を聞いているので、ぜひ、皆さんにも心掛けていただきたいと思います。

回答:諏訪晃嗣氏

―終活を考えて楽しく生きていくためのアドバイスはありますか― 

あんしんセンターでは、元気な高齢者さんがボランティアで活躍されていたり、おしゃべりの会や体操の会をしたりされています。
北区としても、元気な高齢者の方に活躍の場を提供していて、社会福祉協議会がやっている「友愛ホームサービス」や「シルバー人材センター」、生活援助員さんの育成講座などに行っていただくと、75歳まで年金をもらわずに暮らすためのおこづかいになったり、有償でお仕事ができるようなことがあります。
「きらりあ」さんでは、高齢者の就職マッチングをしていたりしますので、そういうところを活用しながら、ご自身の体力や気持ちに合った活躍できる場所や楽しめる場所を探していただくのがよいかと思います。

藤井恭子氏

―お寺でもピアノ教室などいろいろなイベントをやっていますね― 

ピアノ以外にも、朝掃除をするなどのコミュニティがあります。
なんでもいいので、こういうコミュニティに参加することが大事だと思います。たまたまそこは自分に合わなかったとしても、知り合った人から誘われたりするきっかけになるので、まずは動くことが大事ですね。

回答:髙橋寿光氏


コミュニティってそういうものですね。本来の目的とは違う、その場で会った人同士が専門でもないのに、話が進んでしまったりして「新たな発見」があったり。自分には合わないかなと思うようなコミュニティにも顔を出してみたり、足を運んでみたりすると、意外な発見があるかもしれません。このセミナーもそうですが、足を運んでみてはいかがでしょう。

回答:諏訪晃嗣氏

以上で取材日記番外編 赤羽セミナーに参加してきました! は終了いたします。

次回、第10回赤羽セミナーは2024年10月19日土曜日赤羽会館にて開催予定だそうです!

ぜひ会場でご参加くださいね!

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