RanRan

#02 知らないと損する「年金」の話

「20歳になったら国民年金」

こんにちは。WebマガジンRanRun編集部のランです。
突然ですが、皆さんは年金の保険料を納めていますか?

学生時代に借りた奨学金の返済で、生活が苦しい社会人が多いという奨学金返済問題。

親が保証人になっていた場合、子供が払えなくなった時にその返済義務は親に回ってくるため。親の老後の生活にも影響してきます。
奨学金以外にも、社会人になってからの生活費に算出しておかなければならない「お金」があります。
それが「年金」です。

福島継志先生

福島継志先生

年金の学生納付特例制度

年金の学生納付特例制度

「20歳になった国民年金」というフレーズを日本年金機構(日本年金機構 (nenkin.go.jp))のプロモーションで、皆さんもご存じだと思います。

20歳以上の学生は、学生納付特例制度を利用している人が多いのではないでしょうか。
学生時代にこの制度を利用していた社会人の皆さんは、その後どう対処されていますか?
利用する制度について正しい知識を持っておくことが大切です。

「第8回赤羽セミナー&無料個別相談会」(主催:赤羽セミナー実行委員会 2021年9月10日開催)で、年金について個別相談を担当されていた社会保険労務士の福島継志先生にインタビューさせていただきました。


RanRan


学生納付特例制度について教えてください!―

福島先生
勘違いされている方が多いのですが、学生納付特例制度は年金保険料の「免除」ではなく、「猶予」です。
つまり、支払いを先延ばしにする制度なので、社会人になってから「追納」することになります。
社会人になってしばらくすると、日本年金機構から学生時代に猶予された支払い額をまとめた金額の「追納」のお知らせが届きます。


― 「追納」の金額ってどのくらいになるのでしょう―

― 「追納」の金額ってどのくらいになるのでしょう

福島先生
現在の国民年金の支払い月額は約16,500円です。

例えば、20歳から22歳までの2年間分を猶予されていたとすると、16,500円×24回となり、約40万円になります。

社会人になって忘れた頃に追納のお知らせが届いて、金額を見てビックリされる人も少なくないようです。


― 「追納」しないとどうなりますか? 

福島先生
追納をしないと将来的に年金を満額もらうことができません。

なぜなら、「猶予」が「未納」に変わってしまうからです。

「未納」があると、受け取れる年金の額が変わってしまうので、注意が必要です。

また、追納ができるのは過去10年分までになります。

10年を過ぎた分は支払いができないため、「未納」となってしまいます。

「追納」の一括支払いが難しい場合は、分割で支払うことも可能なので、ためらわずに最寄りの年金事務所などに相談するようにしましょう。


― 学生納付特例制度を利用する前に、制度について知っておくことが必要ですね 

福島先生
その通りです。ところで皆さんは、受け取れる年金には3種類あることをご存じですか?

先ほどまでお話ししていたのは主に「老齢年金」についてですが、その他にも生活に支障をきたすような事態が起きた時に受け取れる「障害年金」「遺族年金」があります。

それらの年金も、年金保険料の「未納」があると受け取れない場合が出てきます。


RanRan


先生、3種類の年金について教えてください―

先生、3種類の年金について教えてください

福島先生
老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができる年金のことです。

20歳から60歳になるまでの40年間の国民年金や厚生年金の加入期間等に応じて年金額が計算されます。

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

学生納付特例制度の追納を行なわずに「未納」になってしまうと、障害年金や遺族年金を受け取れなくなるかもしれません。

いざという時のための年金が、いざという時に受給できないかもしれない事態は避けたいですね。


学生納付特例制度について、安易に制度申請していた気がします。

学生のうちからアルバイトなどで年金保険料を支払うことも、検討してみるのもよいかもしれません。

社会人になって忘れた頃に、「追納」のお知らせが届いたら、金額を見て支払いを諦めるのではなく、年金事務所などに相談することもポイントです。

「追納」のお知らせが届くまでに、貯金をしておくのもよいですね。


福島先生、ありがとうございました。


RanRan

今回は、年金をテーマに「学生納付特例制度」について社労士の先生にインタビューさせていただきました。

あらためて、正しい知識と情報を持っておくことの大切さを感じました。
「何をしたらいいの?」「誰に相談すればいいの?」
ちょっとした悩みごとでも、こんな時はどうしたらいい?の困りごとでも、皆さんに代わって、ランちゃんが地域の専門家に突撃インタビューしてきます!

皆さんの困りごとをお寄せください。


皆さんの困りごとをお寄せください。

一緒に快適な人生を手にしていきましょう。

 協力
社会保険労務士法人 らいふ社労士事務所
社労士
福島 継志 先生